Step3 まゆづくり観察
体長が7〜8センチと大きくなり、動きがスローモーになってきたらいよいよまゆづくりへ。「まゆ床」("まぶし"、"もず"など他にもいろいろな呼び方があります)は余裕があるうちに準備しておきましょう。
飼育セット付属のまゆ床作成用シートも使えますが、ここでは簡単な作り方をもう一つ紹介します。
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トイレットペーパーの芯を溜めておき、長さ半分で切ります。1本で2頭分。
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片方の端を小さく切ったラップで覆い、輪ゴムで止めます。
つまようじで通気用の穴を開けておきます。(5〜6個ぐらい)
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適当な空き箱の底にキッチンタオルを敷いて(汚れ防止)、ラップした側を上に向けて並べておきます。
これで事前準備は完了。
まゆづくりへ進む主な兆候としては、
- エサを食べなくなった。じっとしている。
- 頭をもたげて振るそぶりを見せる。(糸を吐く様子)
- 箱の隅の方にいたがる。ときに箱の外に出ることもあります。
などがありますが、これはと思う個体を見かけたら準備したまゆ床へ入れてあげましょう。底の方は閉じなくてもたぶん大丈夫です。
観念してまゆづくりを始めればOKです。しばらく様子を見て(半日程度経っても)一向に始めない個体はまだ早かった可能性もあります。
一旦飼育箱に戻してエサを食べるかどうか再確認してみましょう。
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発見が遅れると飼育箱の隅でまゆをつくってしまう子もいます。
問題は無いですが、動かせませんのでこのままここにいてもらいます。
少しずつ糸を吐いて拡充し、見た目でまゆが"肉厚"になるまで2〜3日ぐらいはかかります。その後もまゆの中の見えないところではサナギへの変態が進行中。
まゆづくり開始から1週間強の間は不用意に動かさないようにしましょう。
"安定期"になる前に下手に動かすとサナギになれないまま中で死んだり、体液でまゆを汚されることがあります。
・・・ さて、ここまではカイコを飼育する皆さん共通です。ここから先が分岐。
- 成虫に羽化させ、交尾や産卵まで観察する方は次のページ Step4 羽化から産卵まで へ進んでください。
- まゆのまま保存したい、糸取り体験したい などまゆの状態で止めておきたい方はこの下の記事へ。
チェックポイント まゆの殺処理について
"安定期"に入ったまゆはあと1週間ぐらいで成虫に羽化してしまいます。自然羽化すると、まゆには穴が開いてしまうので使い物になりません。
まゆの状態で止めておきたい、という方は"安定期"のうちに殺処理を行いましょう。
よく聞かれる方法では、
a) 黒いゴミ袋に換気用の穴を少し開け、まゆを入れて炎天下に放置。真夏の屋外で丸1日以上。
b) 適当な袋にまゆを入れ(密封も可)、冷凍庫(フリーザ)で3日以上放置。
などがあります。いずれかの方法で処置したのち、1週間以上自然乾燥させると長期保存に耐え得るまゆが手に入ります。