Step4 羽化から産卵まで
"安定期"(まゆづくり開始から1週間強)に入ったらまゆを動かしても大丈夫です。
まゆ床に入れたままでも羽化は可能(ラップは外してください)ですが、観察しやすくするために一旦きれいに整えましょう。
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まゆ床からまゆを取り出して周りの細かい糸(毛羽)を取ります。
汚れ防止のキッチンタオルを敷き直して、そこに並べておきます。
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もうひと手間加え、まゆをハサミで切り開いてサナギを取り出してしまう方法もあります。これでも羽化可能。
まゆを汚されずに済み、まゆ玉人形やシルク化粧水などに有効活用できます。
まゆから羽化したカイコ。成虫はご覧の通り羽のある蛾(ガ)ですが、空は飛べません。逃げもしませんので相変わらず開放箱で飼育観察できます。
また、カイコの成虫は何も飲まず食わずなのでもうエサも要りません。
オスメスは見た目でもわかります(メスの方が腹が大きい)が、仕草でも。
羽化したメスの匂い(フェロモン)を嗅ぎ付けるとオスは羽ばたきで自己アピールするので騒がしい方がオスです(笑)
なお、通常はオスの一群が1〜2日早く羽化して、後から起きるメスの目覚めを待ちます。
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オスメスが揃ったらペア探し開始。
首尾よくお相手が見つかればお尻の箇所をくっつけて交尾が始まります。
そのまま放っておくといつまでもくっついたままでいますので産卵できません。数時間以上経ったら十分なので飼い主さんの手で引き離します。
余談ですが、この引き離す行為が日本語の「割愛」(惜しみながら省く意味)の語源であると言われています。
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メスは産卵スペースへ。
床面には今回は紙(コピー用紙など)を敷きます。
同じく紙で輪をつくって、中にメスを1頭ずつ割り当てます。
メスは数日かけて約500個の卵を産みます。
この卵は翌年の飼育で孵化(ふか)させることもできますが、コツが必要な中級者向けなので今回のこの講座では「以下割愛」とさせていただきます。
(卵の長期放置は危険です。要らなければ忘れないうちにゴミ処分してください。)
産卵後の成虫は1週間ほどで一生を終えます。生命のめぐみに感謝。